川の妖怪の種類でも、カッパ(河童)は1カテゴリーを形成するほどのバリエーションを持っているようです。
固有の名前を持つカッパも各地で伝わっていますし、地域によって悪さをしたり、よい行いをしたりと違いがありますが、一まとめにカッパと呼ばれています。
特徴でも述べましたが、音を出すだけの妖怪もいくつか存在します。
小豆洗い(アズキアライ)、川赤子(カワアカゴ)、がたがた橋など、姿は見えないけれど音がする妖怪です。
地域によっては狐や狸の仕業だったり、かわうそが正体だったりもします。
川魚の妖怪もあり、ナマズや鯉が人の姿に化けたり、毛を生やしていたりします。
本来声を出す器官が存在しないはずなのに、鳴いたりしゃべったりする魚も妖怪として扱って良いかもしれませんね。
川女・川姫・川女郎といった妖怪もいて、こちらはひとの精気をうばったり、ひとを驚かせることが多いようです。
川男という別の妖怪は岐阜の辺りに伝わっていますが、穏やかで特にひとに危害を加えることはなく、物語をふたりでしゃべっていたりするようです。
川に限りませんが、龍・竜も水辺のあやかしとして知られています。
こちらは本来の、あらぶるほうの水の神としての側面が強く、弘法大師空海が雨乞いをした際にチベットから龍神を呼んだなどの言い伝えものこっています。
この龍神の名前は善女竜王といい、現在も京都の東寺や神泉苑の池の近くで丁寧にまつられています。
また水辺の妖怪としては滝の主であるジョロウグモや、憑かれると川で体がだるくなる川ミサキ、スッポンの化け物、置いてけ堀などもありますね。
川の妖怪の種類を大まかにみると、カッパ・川の生き物が化けたもの・人型のもの・神様に分けられるのかもしれません。
ガタガタ橋(Wikiより)
小坂の金右衛門という者の家の前に小さな板橋があり、峠を越えて隣村へ行くためにさかんに利用されていた。
ある夜。金右衛門が家にいると、ガタガタと橋をわたる大きな音が聞こえ、ひそひそと人の声が聞こえた。こんな夜に峠越えは危険だと思って外を見ると、人影はまったく見えない。こうした不思議なことが毎晩続き、やがて雨の夜には橋をわたる音に混じって、悲しそうな泣き声が聞こえるようになった。
気味悪く思った金右衛門が占い師に占ってもらったところ、彼の家の前は隣村を越えて越中(現・富山県)立山まで続いており、立山にはさまざまな地獄があるので、地獄へ墜ちる亡者たちが橋を通っているとのことだった。
これを聞いた金右衛門は、家の者たちとともに橋から離れた場所へ引っ越すとともに、亡者たちを供養し、橋のそばには経塚を立てた。以来、これまでのような怪異はなくなったという[1][2]。
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