川の妖怪の特徴とは?

川は農耕民族にとって田んぼや畑に欠かせない水源であると共に、日本では古くからよごれや壊れたものを流す場所でもありました。
例えば今でも風習が残る流し雛や、紙の人形に悪いことを連れて行ってもらうカタシロ流しは全国的に普及しています。

また、川はわかりやすくほかの村との境目として機能したため、どちらにも所属しないもの、つまり妖しいあやかし(妖怪)が発生しやすい場所として、こどもが簡単に近寄らないよういましめられていました。
今でも川での水難事故が後を絶ちませんが、こどもだけで川に遊びにいってはいけないという警告が、川の妖怪となった例も多々あります。

川の妖怪は人間に似た形をしていることが多いのは、隣村の者でも自分の村の者でもない、まさに流れ者が橋の下などで生活していたことも関係しているかもしれません。
移民・流民はその村の常識であるしきたりを知らず、またどこかの村から追い出されたような者は女性やこどもに危害を与えることもあるので警戒されていました。

川の妖怪の筆頭であるカッパの呼び名や姿は地方によってかなり違いますが、性質としては大体同じものです。
もともとは水をつかさどる神様だったとも言われていますね。

また陰惨な話になりますが、村里では堕胎したこどもや早死にしてしまった赤ん坊を川に流す風習があったところもあります。
そのこどもの怨念などが、特に流すための川に集まって、生きている人を害する妖怪となると考えられていました。

ほかにも、川から妙な音がするという音だけの妖怪もたくさんあります。
小豆洗い川赤子などが有名ですね。
こちらも正体不明のものを納得するために生まれた妖怪ですが、地域によっては正体を見に行こうと出かけた人がさらわれると伝わっている場合もあります。

川もまた、人が命を落としやすい場所である上に、ケガレを流す場所として機能していたのでいろいろな妖怪が言い伝えとして存在します。

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